こんにちは、クックパッド「トレンド調査ラボ」です。
レシピ数304万品以上(*1)、月間利用者数 約5,400万人(*2)が利用する料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」には、日々、大量の検索・アクセスログデータが蓄積されています。
トレンド調査ラボでは、こうした検索データを分析できる「たべみる」というサービスを提供しています。
メニューや材料だけではなく、食材・地域・季節・食シーン(”誕生日”や”運動会”など)といった様々な切り口の検索状況もわかるため、生活者の真のニーズが可視化できる仕組みです。
今回は「たべみる」を利用して、「おでん」について分析を行いました。
■夏に「おでん」?
寒い冬に食べるイメージの強い「おでん」。
コンビニでも手軽に購入することができ、低カロリーな具材も多い為ダイエット中に食べる方も多く、某コンビニでは「低カロリーセット」なるものも登場していましたね。
今回「おでん」をたべみるで調べてみたところ意外な結果が出てきました。
「おでん」検索頻度(SI※)推移 (2018/1/1週~2018/12/31週)
冬のイメージの強い「おでん」ですが、8月下旬から検索頻度が増え始めていることが分かります。
9月には更に検索頻度が加速し、11月に検索のピークに。
そこから12月~3月にかけてゆるやかに検索頻度は下降していきます。
まだまだ夏の暑い日にコンビニで「おでん」を見かけるな、と思っていた方もいるかと思いますが、各店舗にはよるものの、9月上旬には概ね「おでん」の販売が開始されるそうです。
この時期からの販売開始は、クックパッドの検索頻度から見てとれる内食の需要(おでんの検索頻度の推移)とも時期が合致しています。
真夏の暑さから緩やかに気温が下がり始め、体感温度も下がり、暖かい「おでん」が食べたくなってくるのでしょう。
■「おでん」検索頻度が高いのは四国
「おでんSI値(検索頻度)分布(2018年)
上記図でも明らかなように、おでんは西高東低型メニューの典型です。
県別により詳しくランキングを見てみましょう。
おでん県別SI値(検索頻度)ランキング(2018年)
香川県、徳島県、愛媛県、高知県の四国が上位を占めています。また、和歌山県を筆頭に、大阪府、奈良県、兵庫県の近畿でも検索頻度が高いです。一方、検索頻度が低いBOTTOM10を見てみると、関東が下位を占めていました。
1位の香川県と言えばうどんが有名ですが、香川県のうどん屋ではおでんが一緒に売られていることが多いそうです。うどんとおでん…他県の人からすると意外な組み合わせかもしれませんが、香川県ではうどんのお供におでんを食べることが定着しているそう。
2位の和歌山県ではラーメンのサイドメニューとしておでんが売られていることがあるそうです。こちらも他県からすると意外な組み合わせです。
西側では具材に牛すじ、手羽先、鶏肉、豚肉、ロールキャベツなど肉類が含まれる場合が多く、ごはんのおかずとしての要素が強くなっています。
江戸時代にファストフードとして江戸庶民に愛されていたと言われているおでん。全国に広まっていく過程で、西ではよりおかずとしての食べ方が強まっていったのでしょうか。
おでんはごはんのおかずになるのか、というのは個人により見解が分かれるところ。おでんを主食とした場合、合わせるメニューが悩ましく、献立の形成が難しくなります。ごはんのおかずとして、おでんを登場させる方が献立には悩みません。
検索頻度が高いことから、より日常の食卓におでんが登場しているとも考えられる四国、近畿では、「おでんはおかず派」が多いのかもしれません。
■「大根」検索は右肩上がり。隠し味に「オイスターソース」。
「たべみる」の組み合わせ検索でエリア別に「おでん」を見てみると、
全国的に「大根」が1位もしくは2位と圧倒的に検索がされていました。
おでんの具材として昔から一般的ですが、マッチ度を経年で見てみると、右肩上がりに伸びていることが分かります。2018年は2009年比でなんと約365%増です。
「おでん」と「大根」のマッチ度推移 (2009~2018年)
これは大根の下処理を調べる人が年々増加しているためと考えられます。
お店で食べるような味が染みた美味しい大根を作るには下処理が必要ですが、核家族化が進んでいる現代では、下処理の方法が分からず、クックパッドで検索する方が増加しているようです。
また、そのまま大根を入れるのではなく、ちょっとした手間暇を惜しまず、下処理をする方が増えているとも考えられます。
「時短」「簡便」は近年料理においてもキーフレーズとなっていますが、要所要所では手間暇を惜しまず、より美味しいものを作りたいと考える方が増加しているのではないでしょうか。
◎「おでん 大根」のレシピはこちら!
意外な材料で、「オイスターソース」が全国的に定着してきていることも分かりました。
「おでん」と「オイスターソース」のマッチ度推移 (2009~2018年)
「え、おでんにオイスターソース?」と思われるの方も多いかと思いますが、
2016年、だし汁の隠し味に「オイスターソース」を入れる方法がテレビでも紹介され検索頻度が急増。以降、食卓に定着していったようです。
ランキングを見ても、特定のエリアだけでなく、もはや全国的に認知を得ている様子がうかがえます。
◎「おでん オイスターソース」のレシピはこちら!
このように、日本全国、また世界でもご利用頂いているクックパッドには膨大なデータが集まっています。そのデータを分析することができる「たべみる」からは料理に関する様々な情勢を垣間見ることができます。
また、法人向けの「たべみる」だけでなく、個人でもお持ちのスマートフォンで手軽に見られるサービス「たべみるニュース」もご提供しています。
話題づくり、メニュー開発、売場作りのヒントなどにご活用いただけましたら幸いです。
たべみるニュースとは
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クックパッドトレンド調査ラボでは、今後もクックパッドに集まるデータを、分析・活用することで、料理や食文化の面白さをお伝えしていきます。
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*1 レシピ数304万品以上(2019年2月上旬現在)
*2 月間利用者数 約5,400万人(2018年12月末)
*3 料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータを活用した、明日の食が見えるビッグデータサービスです。食材・地域・季節・食シーン(”誕生日”や”運動会”など)といった様々な切り口で分析を行うことができ、食品製造業・流通業・小売業の企業さまの多くにご活用いただいています。